秋晴れの平和な午後に、だるくて働かないあたま。時々、文化祭のバザーが楽しみだなあと思う。土曜日の放課後。チョコレートをくれた先生。自転車に空気を入れて、プールに行かなきゃ。100円も持っていなくてもかまわない。夢のような過去が現実を浸食して、私の半分はタイムスリップする。


夜には早過ぎて、昼には遅すぎる。その狭間の暗い廊下。昔の家を思い出す。継ぎ目に二段だけある階段を緩慢に昇降していた日のことを。起伏を忘れてゆく世界。そうした世界の夢ばかり見て、私は過去で均されてゆく。


普段うつくしいことばを書く人が、時折ふと生活について語る時がある。私はそれをとても楽しみにしてしまう。ただ単に珍しいからというばかりでなく、私からしてみると浮世離れしたその人が急に同じ次元に降りてくるのが不思議で、嬉しくて、何だろう。ただ御飯を食べているだけで魅力的なのだ。


昼の暗さに比べたら、夜はとても明るい。
季節が変わるたびに鎌倉へゆきたいと思うようになる。同じルートを辿り、同じ店で御飯を頂き、行くたびにもう目新しいことは無いと思うのに、気付くとまた出かけている。そういう土地だ。とてもすてきだ。

追記:10/14拍手ありがとうございました。