他人の痰に過ぎない

所詮誰かの顎が上下する運動に過ぎない感覚を、自己と妄想して生きていくより他に、術を持たない。誰も。



「ずっと上と下の階のあいだの中二階に居座り続けるようなもの――」
上遠野浩平ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド』電撃文庫、P286)