好きであること仕事人として適性があるかどうかはまったくの別物である、ということを某出版社の説明会に参加してしみじみ感じた。もちろん或程度興味がなければ続かないというのはあるのだろうけれど、向き不向きは嗜好にはまるきり関係ないらしい(というのは別に余所でも散々聞かされたことだが)。何と言うか今更ながら虚無感を覚えている。でも本当はそれぐらいで良いのかもしれない。
私にとって、それが一般的に「面白い」かどうかは関係ない。ただ最終的な結果を完璧な仕事として満足できればそれでいい。マジョリティなど何の意味も持たない。しかしビジネスはそうはいかない。だから厭なのだ。個人とビジネスとで唯一共有されるものがあるとすれば、それは、描かれたイメージは常に最大まで再現されなければならない、という願望に尽きる。
正直言って、茶色かった髪を黒く染めてリクルートスーツを着込んで御社は、私は、などとハキハキ頑張っている人を見るとバカだと思う。でも実際はそう思う方がバカだということもよく知っている。