東洋哲学をやっている人がいて、あれこれ話すのがとても楽しい。仏教学はとても難しいけれども魅力的だ。西洋哲学を専門にやっている人は常にファイティングポーズを構えている感じだが、仏教学の教授などは皆穏やかそうに見える。これは単にイメージの問題なのかもしれないが。
現代哲学の内包する驚くべきポジティヴさに私はついてゆけない。悟りが欲しいのかな、とは薄々きづいている。様々の解釈を見て結局アポリアからは脱却することができない。何が善で何が悪か定義することは確かに難しい。けれどもそうしたことを決め兼ねて結局あやふやになるようなことには耐えられない。真理はなぜあらわれないのか。それが当然であるということに愕然とする。可能性など、取るに足らない。構成の真核を骨に例えるようなこともナンセンスだと思う。真景は全景であり、しなやかに動く見えざるものだ。